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二股を掛けました。

四国徳島からです。
「抗菌薬の適正使用」の一助になればと思い、当ブログを続けています。
当院では使用基準(暫定)を設けて対処しています。
顆粒球1万以上、リンパ球3千以下、白血球1.3万以上、です。

「抗菌薬適正使用」前進の為には「白血球数とその分類」検査が有用と思うものです。
ウイルス感染かどうかの判定に迷う場合がどうしても出てきます。

そんな20歳代の患者さん。
1週間前より咽頭痛あるも軽度でしたが、
受診当日に、右頚部痛・右嚥下痛・開口障害、出現しました。

二股を掛けました。_a0082724_11553773.jpg
咽頭後壁・舌根扁桃・咽頭側索・喉頭蓋・披裂軟骨隆起の腫れを認めました。
主症状を来しているのは、
右梨状陥凹の隆起、です。

末梢血液白血球数 17,200/μl H
白血球3分類 リンパ球数  3,000/μl
       単核球数   1,300/μl H
       顆粒球数   12,900/μl H
当院の抗菌薬使用基準では、ウイルス性?細菌性?
個人的には、強くウイルス感染症とは思いたいですが、重症ですので、
二股を掛けました。
つまり、
①L-ケフレックス顆粒
②ロイコトリエン受容体拮抗薬

です。

翌日、
二股を掛けました。_a0082724_11561260.jpg

全体的に腫れは改善していました。
右梨状陥凹も改善していました。
末梢血液白血球数 15,400/μl H
白血球3分類 リンパ球数 4,500/μl H
       単核球数  1,500/μl H
       顆粒球数  9,000/μl H
白血球数減少、顆粒球減少(1万以下)、リンパ球増加
していますので、
炎症はピークを越えたと思います。
二股投薬ですので、ウイルス性か否かの明確な判定は出来ません。
ただ、やはり、ウイルス感染症かもとは考えます。

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「スーパー糖質制限」実行中。
本日8時半血糖値:mg/dl。

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【寄稿】糖質制限食をめぐる議論への違和感
東京衛生病院糖尿病内科 杉本 正毅
解説 | 2016.10.20 07:30
二項対立的な議論でよいのか

 筆者は、Medical Tribune(ウェブ版)がこれまで山田悟氏による糖質制限食の話題を一貫して積極的に取り上げてきたことに注目してきました。山田氏の文献レビューは、既存の定説に対する卓越した視点に基づく歯切れの良い主張で、いつも大変興味深く拝読しています。糖質制限食に関する最新の知見を紹介してきたことで、エネルギー制限食を中核とするわが国の硬直化した食事指導の在り方を見直す機運が高まり、ついに2013年3月、日本糖尿病学会から「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言~糖尿病における食事療法の現状と課題~」が発表されるに至りました(関連記事1、関連記事2)。

 これはわが国の食事療法における重要な一歩であり、「糖質制限食 vs. エネルギー制限食」という議論がもたらした成果であり、Medical Tribuneの山田悟氏の連載がこれに貢献したと評価しています。しかし、食事療法のエビデンスに関する二項対立的な議論が加熱した結果、負の側面も生まれています。それは、食事療法はエビデンスよりも患者の食の嗜好やライフスタイルを尊重することが重要であるという患者の視点が置き去りにされたまま、互いを批判し合う"白か黒かの議論"となったことです。

 筆者の周囲でも「あなたはエネルギー制限派、それとも糖質制限派?」といった二者択一的な議論がもてはやされていました。糖尿病診療の現場にいる一臨床家として、それはとても残念なことでした。ほとんどの患者はエネルギー制限食も糖質制限食も望んでいないという現実を踏まえ、これからの食事療法に関する報道はエビデンスだけではなく、もっと患者中心の視点からも行われる必要性があると思います。二項対立的議論ばかりが報道された結果、一般の読者に混乱を招いています。食事療法のエビデンスを追求するのが研究者の立場であるとすれば、患者の自己決定やQOLを重視するのが臨床家の立場です。食事療法に関する報道は、こうした臨床の現場にも配慮して欲しいと思います。

患者中心アプローチ、治療の個別化という大きな流れ

 2012年の米国糖尿病学会(ADA)/欧州糖尿病学会(EASD)の意見表明(Diabetes Care 2012;35:1364-1379)では、「患者中心アプローチ」「決定共有アプローチ」という言葉が何度も繰り返されました。そして、患者中心アプローチは「個々の患者の選択、ニーズと価値を尊重し、それらに敏感であること」「患者の価値観に基づいて、すべての臨床決定がなされることを保証すること」と定義され、患者と決定を共有することの重要性を強調しています。その目的はそれぞれの患者の病態、自己管理能力、動機付けの高さ、ライフスタイル、価値観、社会的リソースなどに配慮して治療の個別化を推進していくことにあります。

食事療法こそ決定共有アプローチが不可欠

 2013年の糖尿病食事療法の勧告(Diabetes Care 2013;36:3821-3842)では「個人の好み、文化背景、生活習慣、治療目標など、糖尿病患者の背景はさまざまなので、個々の患者に合わせて食事指導を行うべきである」とし、「 "このやり方が正しい"と限定するだけの科学的な根拠は不足しているので、重要なことは患者の食習慣や嗜好など、患者の生活スタイルに適合していて、長く続けられる食事指導を行うことである」としています。

 決定共有アプローチというプロセスを重視した診療をめざした場合、エネルギー制限食や糖質制限食を導入できる患者は極めて少数であることが分かります。なぜなら、ほとんどの患者はこうした食事管理法を望んでいないからです。

医療における2つのスタンス

  医療には2つのスタンスがあります。1つは伝統的な診療スタイルである「コントロール理論」であり、もう1つは「自己決定理論」です(表)。

 コントロール理論では「医師が患者を管理する」と考えます。それ故、最終的な決定者は常に医師であり、患者は常に医師の指示を遵守できるかどうかが問われます。これに対して、自己決定理論では「患者が糖尿病を管理する」と考えられるので、最終決定者は医師の協力を得た患者となります。

 つまり、エビデンスを重視する医療がコントロール理論に立脚して患者に遵守を求めがちであるのに対し、患者中心アプローチはインフォームド・チョイスに基づいた決定共有を大切にするアプローチであることがご理解いただけると思います。エネルギー制限食 vs. 糖質制限食という二項対立的議論がもたらした最大の弊害は、エネルギー制限や脂質制限といった従来の食事管理法を強く否定し、あるいはSU薬、DPP-4阻害薬といった薬物療法まで強く否定して、糖質制限を強要する医療者を一部に生み出したことです。糖尿病の病態の不均質性や、現実の多義性を全く理解せずに糖質制限を強要する糖質制限原理主義は、排除されなければならないと感じています。

患者中心アプローチの実践ツールとしての基礎カーボカウント

 ここからの筆者の主張はコントロール理論に立脚した食事療法の議論ではなく、決定共有アプローチという視点から食事療法について提言をすることです。わが国の食事療法にはエネルギー制限食と糖質制限食の2つしか選択肢が存在しません。それは食事療法に関する研究が、主に食事摂取量や三大栄養素比率に焦点を当てて行われてきたからです。しかし、リアルワールドで最も重要なことは患者中心の視点に立って、食事療法の個別化を推進していくことであるという点に異論を唱える人はいないはずです。ADAの食事療法の勧告(Diabetes Care 2014;37:S1204-S1213)には「炭水化物比率は患者の食生活内容や嗜好に合わせて患者と協力しながら目標を決めていくべきであること」、さらに「炭水化物摂取量をモニタリングすることは血糖管理を達成する重要な方法である」ということが明記されています。

 これは、これまでの食生活の内容(エネルギー摂取量や炭水化物比率)や患者の自己管理能力を正確に評価し、患者にさまざまなオプションを提示しながら、患者にとって実行可能な食事計画を立てることを意味しています。決定共有アプローチとはこうしたプロセスを踏むことであり、『基礎カーボカウント』はまさにこのような実践に最適な食事管理法と言えます(図)。

 筆者は原則50〜60%の炭水化物比率で指導していますが、高度肥満患者が30〜50%のLow Carb Dietを希望する場合にはそれを慎重に支援しています。さらに基礎カーボカウントの大きな長所は、体系的な自己血糖測定(3日間7ポイント測定と3日間9食の食事記録)と基礎カーボカウント指導を組み合わせることで、患者が望む食事と血糖管理の両立を図れる点です。これを筆者は「薬物療法最適化プログラム」と呼んでいます(「薬物療法最適化プログラム」については拙著(『2型糖尿病のためのカーボカウント実践ガイド』(医薬ジャーナル社)p220-241参照)。応用カーボカウントが1型糖尿病患者にとって、食事療法というよりは"インスリン療法の一部"であるように、筆者にとって、基礎カーボカウントは食事療法というよりは"薬物療法の一部"と考えています。

 最後に強調したいのは、食事療法の成否を決めるのは、どの食事管理法を選択するかではなく、患者のアドヒアランスを高める医療者の姿勢や態度にあるということです。これを私たちは忘れてはならないと考えます。

杉本 正毅(すぎもと まさたけ)
1979年東京医科大学卒業。順天堂大学静岡病院内科講師、伊豆保健医療センター内科科長、熊谷外科病院・糖尿病センターセンター長などを経て、現在東京衛生病院糖尿病内科勤務。診療のかたわら、バイオ・サイコ・ソーシャル糖尿病研究所、カーボカウント研究会を主宰している。日本内科学会総合内科専門医。


私達は高血糖を是正するためにはどうするかという課題を解決するために働いているはず。
「自己血糖測定と食事記録」実行で、答えは出ていると思います。
後は実行あるのみ。
医療に携わる皆さんがアドバイスをされたら患者さんはやる気になるはずです。

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by hanahanak2 | 2016-11-10 22:09 | 急性咽頭炎・扁桃炎 | Comments(0)