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同じ論文なのに

Medical Tribune「カロリー減で長生き」は科学的にホント?
健康・公衆衛生 | 2016.05.26 15:45

 「カロリー制限」と聞くと糖尿病治療の食事療法を思い浮かべがちだが、アンチエイジングでは老化関連疾患を予防し寿命を伸長する方法として研究が進んでいる。研究対象は線虫からサル、ヒトまで幅広く、遺伝子から個体レベルまでの実験で証明されつつある。実際、カロリー制限はどのような機序で、どのような効用があるのだろうか? カロリー制限の研究を行いヒトの成果も報告している、金沢医科大学糖尿病内分泌内科学教授の古家大祐氏が日本抗加齢医学会のメディア向けセミナーで行った講演内容からカロリー制限の概要を紹介する。
サルの研究成果でヒトにも期待が高まる

 カロリー制限は、必要摂取カロリーの70~75%にする食事を続けることで、肥満、動脈硬化性疾患、糖尿病、閉塞性肺疾患、アルツハイマー病などの老化関連疾患の発症リスクを下げ、寿命も延びるとされている。線虫やマウスなどの動物での研究成果に加え、2009年にアカゲザルでの実験結果が報告されると一気にヒトでの効果にも期待が高まった。

 同実験では、アカゲザルを30%減のカロリー制限食群と、自由に餌が摂取できる群に分け、20年間飼育した。カロリー制限群は自由餌群に比べ、体重低下が軽微なものの、体脂肪の低下が顕著で筋肉量の低下は抑制されていた。糖尿病の発症がなく、がんと心血管疾患の発症が50%低下、もちろん死亡率も減少していた(Science2009; 325: 201-204)。さらに、脳(灰白質量)の萎縮も低下傾向にあり、認知症発症の予防の可能性も示された。

当ブログで、5月29日にコピーした論文の解説です。古家先生は、20年間のアカゲザルの研究で「カロリー制限」を最高に評価しています。

しかし、

エネルギー制限食は本当に長寿食か
NIPPON DATA80から
北里研究所病院糖尿病センターセンター長 山田悟
Doctor's Eye | 2016.10.11

研究の背景:霊長類では寿命延長効果は確認できず

 抗加齢医学の世界では、エネルギー制限食(従来はカロリー制限食と呼ばれてきたが、本稿ではエネルギー制限食と呼称する)はgolden standardとも言える食事法であった。それは、さまざまな動物種における寿命延長作用が報告されてきたからである(Science 2000;289:2126-2128、Aging Cell 2006;5:514-524、Science 2001;292:104-106、J Gerontol 1985;40:657-670)。

 しかし、ヒトに最も近いサルではエネルギー制限食の寿命延長作用は必ずしも確認できていない。すなわち、米・ウィスコンシン大学のグループは加齢関連死亡率の減少を示したものの全死亡率の低下は示せず(Science 2009;325:201-204、関連記事)、米国立衛生研究所(NIH)のグループにいたってはまったくそうした効果を示せなかったのである(Nature 2012;489:318-321、関連記事)。

 そして、ヒトにおいてもそれは同様で、エネルギー制限食の効果を検討したLook AHEAD試験の結果、体重を減量し、HbA1cも低下させたが、心血管イベントを抑制することはできず(N Engl J Med 2013;369:145-154)、逆に男性大腿骨近位部の骨密度を有意に低下させてしまっていた(Diabetes Care 2014;37:2822-2829)。実はウィスコンシングループのサルにおいても骨量の低下が認められていたので〔Age (Dordr) 2012;34:1133-1143〕、霊長類ではエネルギー制限食の寿命延長効果の確認ができないだけでなく、エネルギー制限食の筋骨格系への安全性の問題が立ち上がっているのである。
山田先生は、カロリー制限に否定的な発言をされております。
それが出来たのは、20年以後のアカゲザルのデータ、その他類似研究の検討を総合的に検討された結果と思います。

「カロリー制限神話」は崩れたと思います。
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「スーパー糖質制限」実行中。
本日8時半血糖値:107mg/dl。

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by hanahanak2 | 2016-10-20 18:57 | 記事から | Comments(0)