赤ちゃん時から続く右耳漏
四国徳島からです。
当院の基本方針
①抗菌薬の適正使用
②改善しない鼻腔・副鼻腔疾患には手術を提案。
③糖質制限の提案・普及。
改善しない耳漏。
治さないと治らない疾患がある場合が多いです。
原因を探すのです。
小学生。
乳幼児期より、断続的に右耳漏を来たし、治療を受けるも治らないとの事で受診されました。
左外耳道には、大きなカサブタ( 痂皮)。
多分、鼓膜炎と想定して 痂皮の除去を開始。
痛みを訴えますので、キシロカインの表面麻酔をやりながら、激励も混ぜ、おおむね鼓膜を明視出来るようになると、肉芽が出現しました。
肉芽性鼓膜炎、です。
肉芽を処理すると、周囲から皮膚層が伸びてきて耳漏は止まると思います。
治療に慣れるまでは、フェノール処置、ステロイド軟膏塗布を行い、
処置に慣れた時点で、肉芽消失なければ鉗子での除去を試みます。
抗菌薬使用の予定は、ありません。
もうひとつの問題点。
軽度~中等度慢性副鼻腔炎、認めます。
ロイコトリエン受容体拮抗薬にて経過観察いたします。
アトピー性皮膚炎もあり、糖質制限、必要ですね。
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臨床ニュース
小児の多剤耐性菌感染リスク増で警告【米国小児科学会】
畜産動物の抗菌薬乱用に危惧
米国学会短信2015年12月2日 (水)配信 小児科疾患感染症投薬に関わる問題
米国小児科学会(AAP)は11月16日、畜産動物への不必要な抗菌薬の使用により若年患者での致死的感染症における治療薬の効果が脅かされていると指摘する最新の報告書「Nontherapeutic Use of Antimicrobial Agents in Animal Agriculture: Implications for Pediatrics(畜産における抗菌薬の非治療的使用:小児科への影響)」を紹介した。Pediatrics誌12月号に掲載。
報告書に引用されている連邦統計データによれば、米国では毎年200万人以上が抗菌薬耐性感染症に罹患し、2万3000人以上が死亡している。2013年に米国疾病対策センターのFoodborne Diseases Active Surveillance Networkに報告された感染症のうち、小児でも5歳以下での発症率が最も多かった。
筆頭著者のJerome A. Paulson氏は、「子どもたちは、抗菌薬を与えられた動物への接触やその肉の摂取により、感染すると治療が非常に困難な多剤耐性細菌にさらされている」と説明。さらに、「家畜も細菌に感染すれば人間同様に適切な抗菌薬を使用するべきだが、処方や獣医のアドバイスもされていない抗菌薬の乱用により子供達の健康が危険な状況に置かれている」と危険な状況を指摘している。
AAPは報告書において、人間と動物の疾病を治療できる抗菌薬を守ることの重要性を強調している。
関連リンク
AAP Highlights Danger to Kids From Antibiotics Use in Food Producing Animals
畜産についても、抗菌薬適正使用、です。
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by hanahanak2 | 2015-12-16 22:00 | 鼓膜炎 | Comments(0)