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朝日デジタル

四国徳島からです。
「抗菌薬の適正使用」の一助になればと思い、当ブログを続けています。
当院では使用基準(暫定)を設けて対処しています。
顆粒球1万以上、リンパ球3千以下、白血球1.3万以上、です。

急性中耳炎・急性副鼻腔炎は、繰り上げ100%ウイルス感染症です。
人も鶏も、ウイルス感染症の時代です。
感染症診療では、一番にウイルス性感染症を考えるべきと思います。
そんな時代に逆行している診療を続けているのが耳鼻咽喉科ではないでしょうか。

朝日デジタルの記事です。

子どもの中耳炎治療に殺菌力強い新薬 鼓膜切開減る傾向
朝日新聞 2015年1月18日(日) 配信 Doctors Community メッセージを書き込む

 細菌感染などで鼓膜の内側に炎症ができる急性中耳炎は、子どもが風邪からかかることが多い病気の一つだ。近年、子ども用の新しい抗菌薬が承認され、治療の選択肢が広がった。新しい検査法も普及し、有効な薬を早く使えるようになった。
 静岡県富士市に住む女性(37)は昨年9月、生後4カ月の長男が耳だれを流しているのに気付いた。市内の「かみで耳鼻咽喉(いんこう)科クリニック」で診てもらうと、鼓膜が赤くはれており、重い急性中耳炎と診断された。
 抗菌薬を飲ませたが、炎症は改善しなかった。1週間後、2009年に承認された薬にかえることになった。この薬は殺菌力が強く、従来の抗菌薬が効かない細菌にも有効とされた。
 炎症は少しずつ改善し、12月上旬におさまった
。一時は、鼓膜に小さな穴を開けて耳にたまったうみを出す手術も検討されたが、受けずに済んだ。女性は「できれば鼓膜の切開を避けたいと思っていたので、よかった」と話す。
 急性中耳炎は、鼓膜の奥の中耳に肺炎球菌やインフルエンザ菌などが感染して炎症が起きた状態。耳の痛みや発熱のほか、ひどくなると鼓膜がはれたり、耳だれが出たりする。風邪で鼻水が鼻の奥にたまり、耳につながる管から細菌などが中耳に入って起こることが多い。乳幼児は免疫力が弱いため、かかりやすい。
 かみでクリニックの上出洋介院長は「冬は風邪から急性中耳炎になる子どもが増える。風邪にまぎれた中耳炎にも注意してほしい」と語る。
 日本耳科学会や日本小児耳鼻咽喉科学会などによる作成委員会が13年、小児急性中耳炎診療ガイドラインを4年ぶりに改定した。中等症や重症の治療で、最初に使ったペニシリン系抗菌薬のアモキシシリンなどで症状の改善が見られなかった場合、09年承認の抗菌薬テビペネムピボキシルと、子ども向けに同年承認されたトスフロキサシンを使うことを推奨した。
 それでも効果が十分でない時や、耳の聞こえにくさを早く改善したい時は、鼓膜を切ってうみを取り除く「鼓膜切開」が選択肢となる。ただ、何度も繰り返すと開けた穴がふさがりにくくなることがあるという。
 和歌山県立医科大の山中昇教授(耳科学・感染症学)の推計によると、15歳未満の急性中耳炎の患者で鼓膜切開をした割合が最も高いのは2歳未満で、07年で19%だった。新しい抗菌薬が使われるようになって減っていき、13年は11%になったという。
 山中教授は「新しい抗菌薬は重症でも比較的効きがよく、切開しなくても治せる症例が増えてきたと考えられる」と説明する。
■20分で判定、薬を選択
 13年版の診療ガイドラインは、抗菌薬を適切に使うことで、薬が効かない薬剤耐性菌が生まれるのを防ぐことも目的にしている。
 抗菌薬の効果を評価する期間は、従来は使用開始から5日間だったのを3日間に短縮した。中等症や重症の場合は最初に使う薬の量をこれまでより増やすとした。「短期集中」で細菌をたたいて耐性菌を生まないようにし、薬の過剰な使用も抑えるのが狙いという。
 またガイドラインでは、11年に公的医療保険の対象になった細菌の検査キットの活用法を示した。詳細な細菌検査は中耳炎の原因菌を特定するのに3日程度かかるが、この検査キットは主原因の肺炎球菌の有無を約20分で調べることができる。結果に合わせて抗菌薬を選択できるようになる。
 ガイドライン作成委員長を務めた千葉県立保健医療大学の工藤典代(ふみよ)教授(小児耳鼻咽喉科学)は「有効な抗菌薬で治療するために、キットで原因を調べる意味は大きい」と話す。
 一方、症状をうまく伝えられない幼い子どもの場合、保護者が中耳炎の特徴を知っておくことも必要になる。和歌山県立医科大の山中教授は「風邪からなることが多いと認識し、耳を何度もさわるしぐさは疑うサインの一つ」と助言する。風邪でかかりつけ医で診察を受けたら、耳の中をチェックしてもらうことも重要という。(今直也)

変だな、変だな。
新しい抗菌薬で著効した選りすぐりの患者さんを提示したと思われます。
しかし、しかし、
オラペネムかオゼックスを、3ヶ月間使って徐々に改善したとの事。
「おさまった」とは、治癒?はっきりしないです。
4ヶ月児の中耳炎は冬期に治癒達成の確率は非常に低いと思います。
抗菌薬の効果は、効く時は3日前後で治癒状態を達成します。
早ければ36時間、多くは48時間で著明改善を示します。
3ヶ月も掛けてダラダラと改善していくのは、ウイルス感染症が自力で治癒に向かって行ったんだと思いますよ。
貴重な抗菌薬を3ヶ月も使うなんて、どなになっとるん?

週単位で繰り返し罹ってしまうウイルス感染症に、これでもか抗菌薬診療は、止めていただきたい。
自然免疫を獲得するという重要な仕事を懸命にやっております。
邪魔しないようにお願いしたいです。
子ども達の悲鳴が聞こえないでしょうか。


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「スーパー糖質制限」実行中。
本日朝食開始90分後血糖値:114mg/dl。

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by hanahanak2 | 2015-01-19 22:20 | 急性中耳炎 | Comments(0)