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効果イマイチな抗菌薬

四国徳島からです。

「抗菌薬の適正使用」の一助になればと思い、当ブログを続けています。
当院では使用基準(暫定)を設けて対処しています。
顆粒球1万以上、リンパ球3千以下、白血球1.3万以上、です。

抗菌薬の効果が想定以下の場合には、
耐性菌か?、
ウイルス感染だったのか?、
考えながら診療する事になります。

20歳代の患者さん。
受診理由は「咽頭痛」
効果イマイチな抗菌薬_a0082724_21384541.jpg

右膿性鼻汁、口蓋垂・喉頭蓋・披裂軟骨隆起の水ぶくれ様腫脹はウイルス性炎症変化と思います。
しかし、右扁桃・扁桃周囲の変化は細菌性かな?と想定。

白血球数とその分類、
末梢血液白血球数  12,500/μl H
白血球3分類   リンパ球数  1,800/μl
            単核球数     500/μl
            顆粒球数   10,200/μl H


微妙な数値。
扁桃周囲炎は細菌感染症の場合が多いので、抗菌薬:クラビットを選択。

2日後開口障害出現、、
末梢血液白血球数  9,500/μl
白血球数とその分類検査では回復傾向でしたが、症状と扁桃周囲腫脹増悪により、
ジスロマックSRを追加。

その2日後、症状・所見ピークに、
末梢血液白血球数  10,800/μl H
白血球3分類  リンパ球数  1,300/μl
           単核球数     400/μl
           顆粒球数   9,100/μl h


細菌感染症的な増悪を認めました。
顆粒球数の増加とリンパ球数の減少です。

ロセフィンの点滴静注を実施(1日1回2日間)。
翌日、症状所見著明改善。
末梢血液白血球数 4,800/μll。

そして初診から9日目、
効果イマイチな抗菌薬_a0082724_2245357.jpg

治癒状態に。
未だ、扁桃周囲は硬く腫脹は残っていました。

末梢血液白血球数  9,500/μl
白血球3分類  リンパ球数  3,400/μl H
           単核球数   1,000/μl H
           顆粒球数   5,100/μl

ウイルス感染症の典型的なパターンを示しています。
顆粒球数1万以下、リンパ球数3千以上。

ここで、シングレアを選択しました。

きちんと着陸出来ることを祈っております。

細菌感染とウイルス感染の混合感染症だったかなと思います。
断定は私には不可能です。

著明改善を達成したのは、ロセフィン。
しかし、
ロセフィン点滴静注で治癒には至っている分けではありません。

このように、細菌感染の関与した感染症は、短期決戦を強いられる事もあり、
非常に、神経質になるのです。


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「糖質制限」実行中。
本日朝食開始90分血糖値:98mg/dl。

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by hanahanak2 | 2013-08-18 22:25 | 扁桃周囲炎 | Comments(0)