効果イマイチな抗菌薬
四国徳島からです。
「抗菌薬の適正使用」の一助になればと思い、当ブログを続けています。
当院では使用基準(暫定)を設けて対処しています。
顆粒球1万以上、リンパ球3千以下、白血球1.3万以上、です。
抗菌薬の効果が想定以下の場合には、
耐性菌か?、
ウイルス感染だったのか?、
考えながら診療する事になります。
20歳代の患者さん。
受診理由は「咽頭痛」
右膿性鼻汁、口蓋垂・喉頭蓋・披裂軟骨隆起の水ぶくれ様腫脹はウイルス性炎症変化と思います。
しかし、右扁桃・扁桃周囲の変化は細菌性かな?と想定。
白血球数とその分類、
末梢血液白血球数 12,500/μl H
白血球3分類 リンパ球数 1,800/μl
単核球数 500/μl
顆粒球数 10,200/μl H
微妙な数値。
扁桃周囲炎は細菌感染症の場合が多いので、抗菌薬:クラビットを選択。
2日後開口障害出現、、
末梢血液白血球数 9,500/μl
白血球数とその分類検査では回復傾向でしたが、症状と扁桃周囲腫脹増悪により、
ジスロマックSRを追加。
その2日後、症状・所見ピークに、
末梢血液白血球数 10,800/μl H
白血球3分類 リンパ球数 1,300/μl
単核球数 400/μl
顆粒球数 9,100/μl h
細菌感染症的な増悪を認めました。
顆粒球数の増加とリンパ球数の減少です。
ロセフィンの点滴静注を実施(1日1回2日間)。
翌日、症状所見著明改善。
末梢血液白血球数 4,800/μll。
そして初診から9日目、
治癒状態に。
未だ、扁桃周囲は硬く腫脹は残っていました。
末梢血液白血球数 9,500/μl
白血球3分類 リンパ球数 3,400/μl H
単核球数 1,000/μl H
顆粒球数 5,100/μl
ウイルス感染症の典型的なパターンを示しています。
顆粒球数1万以下、リンパ球数3千以上。
ここで、シングレアを選択しました。
きちんと着陸出来ることを祈っております。
細菌感染とウイルス感染の混合感染症だったかなと思います。
断定は私には不可能です。
著明改善を達成したのは、ロセフィン。
しかし、
ロセフィン点滴静注で治癒には至っている分けではありません。
このように、細菌感染の関与した感染症は、短期決戦を強いられる事もあり、
非常に、神経質になるのです。
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「糖質制限」実行中。
本日朝食開始90分血糖値:98mg/dl。
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by hanahanak2 | 2013-08-18 22:25 | 扁桃周囲炎 | Comments(0)