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急性扁桃炎

四国徳島からです。

「抗菌薬の適正使用」の一助になればと思い、当ブログを続けています。
当院では使用基準(暫定)を設けて対処しています。
顆粒球1万以上、リンパ球3千以下、白血球1.3万以上、です。

急性扁桃炎・咽頭炎では、細菌性感染症とウイルス性感染症が混在しています。
「白血球数とその分類」検査の重要性が高くなります。

40歳代の患者さん。
当院への初めての受診。
受診理由は「前々日よりの右咽頭痛」。

既往歴。
扁桃摘出術
セフェム系抗菌薬でショック症状。
突発性難聴(インスリン併用のステロイド使用。治癒したとのこと)
今年3月にも、今回と同じ症状で入院抗菌薬点滴治療

現在、糖尿病療養中。
肥満傾向の印象。
今回9時40分血糖値:188mg/dl。
朝食は?
「ご飯一膳、納豆、味噌汁」

いくら糖尿病治療薬を服用しても血糖値はコントロール出来ません。
大量糖質摂取を止めない限り。

急性扁桃炎_a0082724_23482724.jpg

鼻中隔彎曲ありました。
問題の口蓋扁桃。
口蓋扁桃摘出術を受けられていますが、患者さんは「取り残した」との事。
私は何も言いません。
右口蓋扁桃には「白苔」
間違いなく、急性炎症の所見です。

「白血球数とその分類」検査。
末梢血液白血球数  12,300/μl H
白血球3分類  リンパ球数  2,600/μ
           単核球     1,000/μl H
           顆粒球数    8,700/μl H


お分かりのように、ウイルス性急性扁桃炎と診断しました。

患者さんは、セフェム系以外の抗菌薬の投薬を希望していたようでした。

「ウイルス性扁桃炎ですから抗菌薬は効きません。従って出しません」と説明。

直ぐに痛みを取って欲しいから来たんでよ。
直ぐ治る抗生物質が欲しい。
抗生物質が要らんでは治療になっていない。
治るのを待つ?
治すのが医者だろう。
糖質制限?そんなんどうでもいい。

私は言いました。
「明日もう一度白血球検査を受けてもらうとよりはっきりした状態が分かります。よろしいですか?」

患者さん
「明日はここへは来んだろうな」
帰られました。

①抗菌薬使用基準を理解して欲しかった。
②再度の扁桃摘出術を経過によって考えて欲しかった。
③糖尿病治療薬をいくら服用しても、極端に糖質に偏った食事を摂っている限り、血糖コントロールは無理だということを理解して欲しかった。

私の為ではなく、患者さんの為に説明しているのです。
少しでも理解して欲しかったのです。

私の説明テクニックが稚拙だったんでしょうか?

考えさせられた時間でした。

しかし、
ご飯を摂って、抗菌薬使用して、
何か、心配ですよ。

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「スーパー糖質制限」実施中。
本日朝食開始60分血糖値:83mg/dl。

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by hanahanak2 | 2013-06-24 00:18 | 白血球 | Comments(0)