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急性中耳炎 症例278

四国徳島からです。

急性中耳炎・急性副鼻腔炎の起炎微生物は細菌でなく、ウイルスだと訴えて、10年前後になります。

1歳11ヶ月の赤ちゃん。
3月下旬、クラリス内服中、耳痛・発熱・大量鼻汁を来たし受診されました。
視診により、急性中耳炎・急性副鼻腔炎と診断しました。

経験から、ウイルス性急性中耳炎・急性副鼻腔炎、なんです。

ウイルス性か細菌性かの判断に最も威力を発揮するのが、「白血球数とその分類」検査。
末梢血液白血球数  10,300/μl H
白血球3分類    リンパ球   3,700/μl H
            単核球    1,600/μl H
            顆粒球    5,000/μl

顆粒球1万以下ですから、一発回答でウイルス感染症と判定出来ます。

本当に有用な検査と思います。

3歳未満、そして寒い日暖かい日が断続的な春、急性上気道炎も改善増悪を繰り返します。
それで良いと思います。
暖かい日暑い日が続くようになると次第に急性上下気道炎も落ち着いて来ます。
ウイルス性に抗菌薬は不要。

途中、5月下旬、細菌培養同定検査、
急性中耳炎 症例278_a0082724_14533965.jpg

6月下旬
急性中耳炎 症例278_a0082724_1454610.jpg

繰り返すウイルス感染に歩調を合わせ、鼻汁肺炎球菌・インフルエンザ菌も増減しています。
もちろん、張本人の呼吸器関連のウイルスもどれかが増減しているはずです。

急性中耳炎・急性副鼻腔炎の犯人が肺炎球菌・インフルエンザ菌だとすると(真犯人は1人のはずですが)、
抗菌薬を使ってないのに菌は減少し、
抗菌薬を使ってないのに体調は次第に良くなってきますし、
抗菌薬を使ってないのに鼓膜・鼻腔所見は改善します。
抗菌薬を使ってないのに、使わなかったから後遺症が残った死亡に至った、ということもないです。

そして、7月上旬、
急性中耳炎 症例278_a0082724_14542640.jpg

鼓室内貯留液の排出がほぼ完了して来ました。

このように気温に敏感に反応して改善してくれる子ども達は、安心して観察出来ます。

しかし、夏が来ても、自然治癒に至らない子ども達が心配です。大人もですが。

子ども達の健康の為に

不必要な抗菌薬の爆撃は止めて下さい。

子ども達の健康の為に、ワクチンに関する運動は非常に大きなものがあります。

それが、抗菌薬となりますと、メーカーの言いなり状態に近いものがあります。

by hanahanak2 | 2012-07-11 15:32 | 細菌培養同定検査 | Comments(0)