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2001年、学会発表から(反復性中耳炎)

四国徳島からです。

急性中耳炎・急性副鼻腔炎は代表的なウイルス性上気道炎です。
しばしば、下気道炎も伴います。
増悪する度に、白血球数増多とかCRP高値とか肺炎球菌・インフルエンザ菌検出とか膿性鼻汁耳漏を伴うのが特徴です。


2001年の学会発表からです。
有名な先生のご発表です。
10年以上前の最先端の業績です。

発表症例は1歳の赤ちゃん
初診は平成10年12月、風邪のシーズン。急性中耳炎と診断し治療が始まりました。
2001年、学会発表から(反復性中耳炎)_a0082724_1185488.jpg
中耳炎が増悪(発症)する度に
鼓膜切開をし
細菌検査をし
白血球数・CRP測定をし
④それに適合する抗菌薬を使ったにも係わらず翌々年4月に至っても治癒しなかった、という症例です。


当時は、「こんな素晴らしい第一線で活躍されている先生がおられるんだ」と思い講演内容冊子を保管していました。

私は、
たまの鼓膜切開とダラダラの抗菌薬投与をやっていました。
1週間で治る患者さんもいましたし、何年も掛かる患者さんもいました。
そのうち、何となく治っていました。

今、振り返ると、ウイルス性急性中耳炎の特徴を如実に表現している症例と思います。
①3歳未満です。毎月のようにウイルス性呼吸器感染症をもらってしまいます。それが仕事ですが。
②夏場には感染症の頻度重症度は減少します。
③ウイルス感染症では白血球数・CRPは高値を示すことがあります。現在ではほぼ認められています。
④急性中耳炎と診断した時期と同時に鼻汁・耳漏に肺炎球菌・インフルエンザ菌が検出されるようになります。ウイルス検査もやれば検出されます。
⑤10年前も、今も、治らん効かんと言うも、何となく就学時には治って(落ち着いて)しまいます。
これはウイルス感染症に対する免疫が増量すると治っていくんだと思います。

脈々と続いている急性中耳炎・急性副鼻腔炎に対する抗菌薬療法は見直さないといけません。

by hanahanak2 | 2012-07-10 12:34 | 細菌培養同定検査 | Comments(0)