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小児急性中耳炎診療ガイドライン

四国徳島からです。

急性中耳炎・急性副鼻腔炎、そのほとんどはウイルス感染で発症します。
経過の途中で原因ウイルスは体外に出ていきます。
炎症産物である膿を自分の力で処理をして終息すると思います。
膿には大量の細菌が検出されますが暴動を起こしているとは思いません。
「白血球数とその分類」検査で、そんな風に思います。


日本耳鼻咽喉科学会会報2008
「小児急性中耳炎診療ガイドライン」から抜粋。
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ガイドライン作成の背景

①急性中耳炎は、高頻度に小児が罹患する代表的な上気道炎で、生後1歳までに
62%、生後3歳までに83%が少なくとも1回は罹患する。
②1方、近年の薬剤耐性菌の増加は顕著なものがあり、最近のわが国の調査では、急性中耳炎の起炎菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌の約60-80%が耐性を獲得している。
③このように小児急性中耳炎は頻度が高く、しかも重症化しやすくなってきている。
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こんな文言で始まり、重症度に応じた抗菌薬療法を推奨しております。

何か変でしょう。
①急性上気道炎は、世界の誰もがウイルス感染症と思っているはずです。
②代表的なウイルス感染性上気道炎である急性中耳炎の起炎微生物がどこで起炎菌という細菌になったのか、私には理解出来ません。
そして、ウイルス感染症に「これでもか」「どこまでも」と抗菌薬を使うと、当然、細菌は耐性化します。抗菌薬が必要な急性呼吸器感染症、それは想像を絶する程に少ないと思います。
③昔(私の記憶している30年前)には慢性化した急性中耳炎で毎月の如く基幹病院へ手術をお願いしていましたが、この20年は年に1~2人と思います。子どもさんの人口減もあるかと思いますが、重症でも反復しても急性中耳炎はなんとなく治っていっていると私は思います。

肩の力を抜いて、リラックスして対応してはどうでしょう。

by hanahanak2 | 2012-01-27 14:50 | 記事から | Comments(0)