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急性中耳炎 症例231 その3

四国徳島からです。

「白血球数とその分類」を重視、ウイルス感染を考慮した診療を心掛けています。

昨日の続きです。
3歳4ヶ月の患者さんです。
経過によっては抗菌薬(抗生物質)が必要かと思っていた患者さん。
体調が思わしくなかったら「白血球数とその分類」の再検査しますと言っていました。
初診の3日後、「午後になると37.5度から38度の発熱がある」と訴えて再来されました。
視診、
急性中耳炎 症例231 その3_a0082724_8453953.jpg

①左右とも鼓膜膨隆は消失していました。
②右は排膿が始まり水面を認めるまでに改善していました。
血球計測、
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顆粒球(ほぼ好中球)、4,700/μl、1万以下になっていました。・・・抗菌薬要りません。
白血球数、9,800/μl、1.2万以下になっていました。・・・・・抗菌薬要りません。
リンパ球、3,900/μl、3千以上に増加。・・・・抗菌薬要りません。

注目点
顆粒球が1万以上の急性中耳炎・急性副鼻腔炎患者のさんで、本当に抗菌薬を必要とする、細菌性急性中耳炎・急性副鼻腔炎の症例がどの程度存在するのかに注目しております。
そして、
急性中耳炎には抗菌薬は要らないと説明するのですが、ほとんどのご父兄の方々には分かってもらえないのが現状です。
再来がほとんど無いことから、そう思っています。
いつの日か分かってもらえると思い努力しています。今年5月の日本耳鼻咽喉科学会主催の講演会でも、「耳漏中に細菌を同定すれば抗菌薬」と確かに演者の高名な先生は申しておられました。
耳漏中に肺炎球菌を同定すれば、100%肺炎球菌感染症と診断するのは間違いです。
耳漏中にインフルエンザウイルス検出とは扱いが違うと思います。

by hanahanak2 | 2011-06-10 10:10 | 白血球 | Comments(0)