新型コロナ薬「有用性なし」の衝撃 1600億円以上を売り上げた「新薬」は無駄だったのか 市川衛医療の「翻訳家」3/14(木)
3月13日(水)、厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)で衝撃の発表がありました。
新型コロナによる重症化(入院や死亡)を防ぐ治療薬として、国内で既に1600億円以上を売り上げている「ラゲブリオ」(一般名:モルヌピラビル)に対し、「費用増加」との評価が下されたのです。
要はこの薬を使っても、「新型コロナによる入院や死亡のリスクは一般的な治療と変わらず、余分なお金だけがかかる」ということです。
ラゲブリオは、日本で2021年12月に特例承認され、その後、新型コロナ薬としてトップシェアを獲得し、いまも診療現場で広く用いられています。目的は、新型コロナが重症化する要因(肥満や糖尿病など)を持つ人に投与することで、入院や死亡を防ぐことです。
それが「費用増加」。つまり「解熱剤など一般的な治療に加えて使っても、入院や死亡を減らす有用性はない」とされたのです。一体、どういうことなのでしょうか。
初の「飲める新型コロナ治療薬」ラゲブリオとは
ラゲブリオは、アメリカのエモリ―大学が出資するバイオテクノロジー企業によって開発された抗ウイルス薬で、日本ではMSD社が販売しています。
ウイルスが体内で増えるのを防ぐ働きがあり、日本を含む世界各国の170以上の施設で行われた臨床試験では、新型コロナが重症化しやすい要因を持つ人(肥満や糖尿病など)が感染してすぐに服用すると、入院や死亡を減らせるという結果が出ていました。
その結果を受けて、日本では2021年12月にラゲブリオを特例承認。当時、新型コロナの抗ウイルス薬は点滴で投与する必要がありました。一方でラゲブリオはカプセル化されて「自宅で飲める」薬だったため、広く診療現場で使われるようになりました。
1回の治療の薬価(薬の値段)が合計でおよそ9万4千円という高価な薬剤ですが、新型コロナが5類に移行するまでは自己負担ゼロ、5類に移行した現在でもおよそ1割(9000円)の自己負担で入手することができます(※1)。
もちろん、自己負担以外は国民の税金や健康保険から支払われます。とはいえ新型コロナによる入院や死亡を減らせるのであれば社会として見合うコストであると考えられ、ラゲブリオは爆発的にシェアを拡大。
2023年には、国内で使われる全ての医薬品の中でも第4位に相当する売り上げを記録し、この2年間で少なくとも1600億円以上を売り上げたと推測されます(※2)
以下略
(いちかわ・まもる)医療の「翻訳家」/READYFOR(株)基金開発・公共政策責任者/(社)メディカルジャーナリズム勉強会代表/広島大学医学部客員准教授。00年東京大学医学部卒業後、NHK入局。医療・福祉・健康分野をメインに世界各地で取材を行う。16年スタンフォード大学客員研究員。19年Yahoo!ニュース個人オーサーアワード特別賞。21年よりREADYFOR(株)で新型コロナ対策・社会貢献活動の支援などに関わる。主な作品としてNHKスペシャル「睡眠負債が危ない」「医療ビッグデータ」(テレビ番組)、「教養としての健康情報」(書籍)など。
当院では、新型コロナウイルス感染症を含めて急性ウイルス性呼吸器感染症に対しては、
①モンテルカスト内服
②咳があれば気管支拡張剤内服。咳がひどいようであれば気管支拡張剤入りのステロイド吸入薬。
③カロナールの屯用
④食事は、「低糖質・高蛋白・高脂質・高カロリー」食に心掛けてと一言。
しかし、若い方でも、肥満・糖尿病の方は救急車を手配されたと後ほど聞きました。
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