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急性咽頭炎 症例11

33歳の患者さん。
受診前日より、咽頭痛・関節痛・悪寒等あり、
受診時、体温36.9度、額帯鏡下では咽頭(中咽頭)軽度発赤のみ、
上咽頭をのぞくと、
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上咽頭は白苔でびっしり。
急性咽頭炎と診断されます。
これで、細菌性かウイルス性かは断定出来ませんから、
血球計測をすると、
末梢血液白血球数 20,200/μl H
白血球3分類  リンパ球 8.9% L  1,700/μl
          単核球  7.3%    1,400/μl H
          顆粒球 83.8% H 17,100/μl H
顆粒球が1.7万にも増加していますので、
細菌性急性咽頭炎と診断して良いと思います。
なお、好酸球増加の症例もあるかと思いますので白血球5分類を検査センターへ外注しました。
抗菌薬(抗生物質)を使いました。

重要と思う点
①細菌性かウイルス性かの診断
②白い付着物が白苔か後鼻漏かの判別

こんなことを考えながら診療をやっています。
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by hanahanak2 | 2010-04-28 11:55 | 急性咽頭炎・扁桃炎 | Comments(0)

急性中耳炎 症例164

5歳9ヶ月の患者さん。
前夜、耳が痛いと言い、機嫌がわるかったという訴えで来院されました。
体温36.8度、咳少々、鼻汁少し。
みると、
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右鼓膜は中等度の膨隆し拍動が認められました。
血球計測をしますと、
末梢血液白血球数 14,500/μl H

白血球3分類  リンパ球 32.4%    4,600/μl H
          単核球   9.2%    1,300/μl H
          顆粒球  58.4%    8,600/μl H

これ、ウイルス感染のパターンです。
お分かり・・・・・・。
通常、
抗菌薬(抗生物質)服用しても、しなくても、1週間後には改善が見られます。
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by hanahanak2 | 2010-04-26 12:48 | 急性中耳炎 | Comments(0)

後鼻漏

4月17日に書き込みした患者さん。
咽頭痛ともうひとつ訴えがありました。
昔から痰が多い、と。
痰と言えば、後鼻漏なんです、たいてい。
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両側鈎状突起がダルマ状態で粘性鼻汁が染み出しています。
鈎状突起の肥大を見付けたら、中鼻甲介の肥大を見たら、
後鼻漏(痰)の状態を見ることが大切と思います。
痰がからむ、と聞いたら、鼻腔後部を観察してみてください。

抗菌薬(抗生物質)で治るはずもないです。

81歳ですがお元気そうでしたが、
血小板数が2.7万では、
鈎状突起切除だけでも、危険の影が見えます。
鼻閉・鼻汁(後鼻漏)等の鼻症状で改善が思わしくないときには、早期の決断が、お得と思います。
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by hanahanak2 | 2010-04-22 22:40 | 慢性副鼻腔炎 | Comments(0)

アレルギー性鼻炎 症例16

25歳の患者さん。
通年性に鼻閉あり、くしゃみ・鼻水発作が起こると辛い、という訴えで来院されました。
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①鼻中隔の彎曲
②下鼻甲介の腫脹(肥大)が、問題点です。
鼻中隔矯正術と下鼻甲介超音波凝固を提案し3月末に手術、
本日、
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突出が消失して、経過順調です。

耳鼻咽喉科でのありふれた手術ですが、
鼻閉の解消には、強くお勧めしたい手術です。
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by hanahanak2 | 2010-04-21 17:58 | アレルギー性鼻炎 | Comments(0)

急性副鼻腔炎 症例40

33歳の患者さん。
当院初診2週間前より風邪症状あり、発熱、咳、咽頭痛は軽減したが、
後鼻漏、頭痛に困っていると、来院されました。
視診、
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後部副鼻腔である後篩骨洞と蝶形洞の両方か片方から大量膿性鼻汁が咽頭へ流れているのが見られました。
血球計測、
末梢血液白血球数 9.500/μl H
いつものように、
診断は、
ウイルス性急性副鼻腔炎、
と言わざるを得ません。
抗菌薬(抗生物質)は出しません。使いません。
頻繁に言われております、細菌の二次感染の根拠はないのです。
10日後、
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後部副鼻腔からの膿性鼻汁は軽減していますが、消失していません。
自然治癒に到達出来るか、
日にち薬が何処まで効果を発揮してくれるか、
注目するものです。

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by hanahanak2 | 2010-04-20 22:14 | 急性副鼻腔炎 | Comments(0)

鼻出血

74歳の患者さんです。
右の鼻血が度々出ると来院されました。
最も多いのが、鼻中隔の全部からの出血ですが、その部位には出血ありません。
のぞきますと、
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これは、上顎洞、篩骨胞、前頭洞の何れかからの出血です。
下鼻甲介後端からではありません。
数日後また右の鼻出血で来院されました。
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今度は、右の蝶形洞か後篩骨洞かのどちらかからでした。
下鼻甲介後端ではなかったです。

高齢者の鼻出血は下鼻甲介後端に注意していましたが、
副鼻腔からという患者さんを見かけます。
下鼻甲介後端からの出血を経験しなくなりました。

従って、鼻出血の部位同定では、中鼻道と嗅裂の観察を忘れないようにしています。
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by hanahanak2 | 2010-04-19 22:33 | 鼻出血 | Comments(0)

読売新聞 医療のことば

抗菌薬の記事がありました。
その記事の締めくくりの言葉、

医療現場での安易な抗菌薬の使用と家畜や魚への投与は、耐性菌の広がる大きな要因です。
風邪の大半はウイルスが原因。
ウイルスに効く薬はわずかで、抗菌薬は効かないのに、習慣的に処方する医師がまだ多いのが実情です。


そうなんです。
私も、以前は、膿性鼻汁を診ると抗菌薬、鼓膜膨隆を診ると抗菌薬、扁桃に白苔を診ると抗菌薬、熱が高い・咳がひどいと抗菌薬、・・・・・・・・・・・でした。
とにかく、取り敢えず、抗菌薬投与でした。

恥ずかしいことおびただしいものです。
しかし、抗菌薬を使っていた頃の方が、患者さんは納得されて帰られる割合が高かったように思います。
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by hanahanak2 | 2010-04-18 21:43 | 記事から | Comments(0)

扁桃周囲膿瘍

81歳の患者さん。
嚥下痛を訴えて来院されましたが、
体温36.5度、その他全身状態良好でした。
左扁桃を上からのぞくと、
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扁桃周囲膿瘍が自壊したと診ました。
血球計測は
末梢血液白血球数 4,000/μl

白血球3分類  リンパ球41.5%   1,600/μl
          単核球 11.4% H   400/μl
          顆粒球 47.4%   2,000/μl
そして、血小板が2,7000/μl(静脈採血に係わらず)でした。

普通、扁桃周囲膿瘍と診断しますと、抗菌薬(抗生物質)投与一直線ですが、
血球は4千で増加してないし、血小板が2.7万と異常に少ないし、
抗菌薬処方は恐いです。抗菌薬無しで、2日後、
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排膿は終了し、嚥下痛も無くなっていました。
ただ、後鼻漏が多いです。患者さんご本人も昔から痰が多いとおっしゃっていました。
後鼻漏の対処にも抗菌薬は推奨できません。

このように、患者さんお一人お一人に教えられる毎日です。
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by hanahanak2 | 2010-04-17 11:49 | 扁桃周囲炎 | Comments(0)

日浦恭一 先生

徳島新聞に「こどもの健康アドバイス」というコラムが毎週水曜日にあります。
徳島県小児科医会の「ひうら小児科」の日浦恭一先生がご執筆されています。
今週は、「肺炎球菌①」でした。
この中から、抜粋させていただきますと、

「これまでに多くの抗菌剤が使用された結果、肺炎球菌の多くはペニシリンなど多くの抗菌剤に耐性を持っています。」

「そのため肺炎球菌による敗血症や菌血症など重症の感染症になると、使用できる抗菌剤が極めて限られてしまいます。」

「肺炎球菌は重症細菌感染の中では最も重要な細菌のひとつで、ワクチンによる予防が望まれます。ただし日常診療の上では感冒などのウイルス感染には抗菌剤を極力使わないことで抗菌薬に対する耐性が出来ないようにすることも大切です」


当たり前のことですが、非常に新鮮に感じられます。
毎週、水曜日を楽しみにしています。

風邪で耳が痛い:急性中耳炎。
風邪で鼻汁:急性副鼻腔炎
風邪でノドが痛い:急性咽頭炎
風邪で声が出ない:急性喉頭炎
風邪で咳がでる:急性気管支炎

風邪?・・・・・・
抗菌薬(抗生物質)使うか?止めとこうか?・・・・・・
少しの迷いを願うものです。

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by hanahanak2 | 2010-04-16 22:24 | 記事から | Comments(0)

岩田健太郎 教授

MTProからメールの配信がありました。
第84回日本感染症学会で神戸大学病院感染症内科の岩田健太郎教授が、抗菌薬に対する考え方および使用方法について教育講演を行い、その内容の一部でした。
徳島県耳鼻咽喉科医会研修会にもお越しいただき、「中耳炎・副鼻腔炎に抗菌薬は使わないようにして下さい」という内容の講演を拝聴したことがあります。参加された先生方は「えらい変なおかしいことを言うなあ」という感じでした。
メールの一部を書いてみますと、
「マクロライド系薬(クラリス・クラリシッド・ジスロマック等です)については、鼻水、鼻づまり、上気道炎、急性咽頭炎、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、急性気管支炎、慢性の咳のマネジメントに対し、マクロライド系薬である必要がないことに言及。」
耳鼻咽喉科の先生方にとって、非常に耳障りな発言です。
岩田先生は、新型インフルエンザ流行時に新聞等で盛んに発言されていた、日本における感染症関係の中心的先生です。

つまり、
ウイルス性感染症に抗菌薬を使う必然性はありません。
抗菌薬を使わなくても治る細菌性感染症に抗菌薬を使う必然性はありません。
という事なんです。
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by hanahanak2 | 2010-04-15 22:22 | 記事から | Comments(0)