右耳痛での受診です。

四国徳島からです。
「抗菌薬の適正使用」の一助になればと思い、当ブログを続けています。
当院では使用基準(暫定)を設けて対処しています。
顆粒球1万以上、リンパ球3千以下、白血球1.3万以上、です。

急性中耳炎・急性副鼻腔炎は、繰り上げ100%ウイルス感染症です。
ウイルス感染症には、抗菌薬は使いません。

2歳児の患者さん。
右耳痛での来院です。
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右急性中耳炎は明白です。
左鼓膜、透明性良好ですが、内陥傾向あり、過去の長引いた急性中耳炎が疑われます。

末梢血液白血球数:11,300/μl H

予想通り、
ウイルス性急性中耳炎が確定します。
投薬は、
モンテルカスト細粒
メプチンドライシロップ

今日も抗菌薬使用ゼロの一日でした

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「スーパー糖質制限」実行中。
8時半血糖値:87mg/dl。

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医療プレミア実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-
難敵耐性菌を制圧した英国の“王道”政策
2017年3月19日 谷口恭 / 太融寺町谷口医院院長

抗菌薬の過剰使用を考える【7】
 既存の抗菌薬が効かず、アメリカでは年間3万人を死に追いやっているクロストリジウム・ディフィシル(以下「CD」)。次第に種類が増えてきている薬剤耐性菌のなかでも現在最も厄介な、いわば横綱級の耐性菌です。糞便移植という“秘密兵器”はあるものの、実用化にはまだまだほど遠く、実際には悪化して抗菌薬が効かなければ、もはや打つ手がありません。しかし、このCDを10年足らずで8割も減少させることに成功した地域があります。イングランド(注1)です。
クロストリジウム・ディフィシル感染を8割減少
 「イングランドにおけるCDの発生率は2006年以降約80%減少した。それは国家統制政策(national control policies)の結果である」
 医学誌「The Lancet Infectious Disease」2017年1月24日号オンライン版(注2)でこのような報告がおこなわれました。イングランドでは、21世紀に入ってから急激に感染者が増加していたCD感染を脅威と考えた当局が、国を挙げて感染者減少を目指す取り組みを始めました。彼らが取った主な対策は二つ。一つは全般的な院内感染予防を徹底すること、もう一つは抗菌薬の使用制限です。
カギはニューキノロン系抗菌薬の使用制限
 この政策は見事に功を奏し、上述の論文によると06年から13年の間になんと80%ものCD感染減少に成功しました。そのプロセスを分析した結果、最も効果があったのは「特定の抗菌薬の使用を控えること」でした。その抗菌薬とは「ニューキノロン系」です(注3)。なぜ、ニューキノロン系抗菌薬の使用を控えたことがCD感染減少につながったと断定できるのか。それは、ニューキノロン系抗菌薬に耐性を持ったCDの減少率が際立っていたからです。地域によっては、06年時点でニューキノロン耐性CDが占める割合が67%もあったのに、13年には3%にまで減少しました。
米国で大きく報道されたイングランドの成果
 ところで、医学誌に興味深い論文が掲載されると一般のメディアが取り上げて分かりやすく解説することがあります。これは日本でも同じで、例えば「納豆が脳卒中に有効」といった研究が英文の医学誌に掲載されると日本の新聞などでも紹介されます。「特定の抗菌薬の使用を控えれば8割ものCDが減少した」という報告を大ニュース(特ダネ)と考えた私は、英国のメディアのウェブサイトで検索をかけてみました。英国のニュースソースで私がよく参照するのはインディペンデント(Independent)とガーディアン(Guardian)の新聞2紙、そして放送局のBBCです。ところが意外なことに3社のサイトに、この論文関連のニュースが見当たりません。そこでGoogleで検索をかけてみると米国の通信社UPIが大きく取り上げていることがわかりました。
 UPIの報道の切り口が非常に興味深いので紹介したいと思います。記事のタイトルは「イギリスの病院での“スーパーバグ”の大発生は抗菌薬の使いすぎが原因」で、スーパーバグとはもちろんCDのことです。この記事のなかで最も注目すべき点は、ある識者の次のコメントです。
 「今回の知見は国際的に重要である。なぜなら、北米のようにニューキノロン系抗菌薬の処方が制限されていない地域では、依然としてCDが流行しているからである」(筆者訳)
 UPIはアメリカのメディアですから、自国の国民に注意を促すために「北米のように」という表現を用いています。記者は、米国では2011年に約50万人がCDに感染し約2万9000人が1カ月以内に死亡したことも合わせて紹介しています。私の知る限り、日本の一般のメディアはこの論文のことを取り上げていませんが、もしも私がジャーナリストなら「北米のように」ではなく「日本のように」として記事を書きます。そうです。日本では(おそらく米国以上に)ニューキノロン系の使用がいわば「野放し状態」なのです。
なぜ患者さんは「抗菌薬をいつももらっています」と言うのか?
 「今日はクラビットをください。以前通っていたクリニックでは毎回風邪を引くとクラビットを出してもらってたんです……」
 このようなセリフを患者さんから何十回聞いたでしょうか……。クラビットとはニューキノロン系の抗菌薬です。つい先日もある患者さんから同じような言葉を聞いてショックを受けました。この患者さんの風邪症状はクラビットが必要どころか、抗菌薬自体が不要、つまりウイルス性の感冒です。全身状態が良好で発熱も微熱程度で、咽頭スワブのグラム染色で細菌感染を示唆する所見もありません。それ以上の検査はするまでもなく「ウイルス性」と診断できます。
不要な抗菌薬の処方をする医師がいる?
 もちろん前医での風邪は細菌性のものでありそのときは他の抗菌薬でなくクラビットが必要だったのかもしれません。しかし「毎回風邪に……」と聞くと、本当に必要だったのか疑わざるを得ません。そして、同じことを言う患者さんが少なからずいるのです。ということはクラビットを簡単に処方しすぎている医師がいるということになります。私は過去のコラム「『医師は抗菌薬を使いすぎ』は本当か?」で、別の医師が後からカルテをみて抗菌薬は不要だったと判断することには疑問があると述べました。しかしながら、あきらかにウイルス性で軽症の患者さんから「毎回風邪にクラビット」と繰り返し言われると不要な処方をする医師の存在を否定できません。
腸内フローラを壊滅させる抗菌薬 患者も正しい知識を
 ニューキノロン系の抗菌薬はクラビット以外に、タリビッド、オゼックス、シプロキサン、スオード、アベロックス、ジェニナック、グレースビットなどがあります(すべて先発品の商品名)。ニューキノロン系は、多くの種類の細菌に作用しますが、特にグラム陰性菌には著効します。そして腸内細菌の多くは、大腸菌、クレブシエラ、セラチアなどのグラム陰性菌です。つまり、ニューキノロン系抗菌薬を使えば、腸内細菌の多くが死滅してしまい腸内フローラが大きく乱されます。その結果はびこるのがCDです。また、ニューキノロン系は結核にも“多少”効きます。それはは「いいこと」ではありません。中途半端に効くことで、結核の診断が遅れてしまうからです。
 抗菌薬のなかでも特にニューキノロン系の使用を控えましょう、というのはもちろん医師に対して発信すべきメッセージです。しかし、毎回風邪にクラビットを処方する医師が存在するならば、患者さんの方も正しい知識を持つべきだと思います(注4)。感染症は「知識で防ぐ」が原則だからです。
   ×   ×   ×
注1:論文には「イングランド」と書かれており、日本で一般的に言う「英国=イギリス(連合王国=UK)」ではありません。つまり英国の他の三つの地域、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドは含まれていないということです。しかしUPIの記事ではEnglandではなくUKと記述しています。
注2:論文のタイトルは「Effects of control interventions on Clostridium difficile infection in England: an observational study」(筆者訳:「イングランドにおけるCD感染に対するコントロール介入の効果:観察研究」)で、こちらで概要を読むことができます。
注3:論文には「フルオノキノロン」と書かれています。日本ではフルオノキノロンのことをニューキノロンと呼ぶのが一般的なので、ここではニューキノロン(系)とします。
注4:最近興味深い研究が報告されました。医学誌「Health Psychology」2017年2月16日号オンライン版で報告されています。英国の医師436人に対し患者を診察する際のシナリオを提示し、抗菌薬を処方するかどうかを調べました。結果、患者が抗菌薬の処方を期待していると医師が感じると、実際に処方する可能性が高くなることがわかりました

谷口先生の記事。
100%賛同します。
当院でも、
ニューキノロン系抗菌薬は耳鼻咽喉科感染症には使わないを原則としています。
経口第3世代セフェム系抗菌薬も使いません。
クラリスロマイシン等のマクロライド系抗菌薬も最近は使ってないですね。

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by hanahanak2 | 2017-03-26 22:21 | 急性中耳炎 | Comments(0)