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急性中耳炎 症例282 その3 RSウイルス陽性

四国徳島からです。

「抗菌薬の適正使用」の一助になればと思い、当ブログを続けています。
当院では使用基準(暫定)を設けて対処しています。
顆粒球1万以上、リンパ球3千以下、白血球1.3万以上、です。

急性中耳炎・急性副鼻腔炎を始め呼吸器感染症では、起炎微生物がウイルスの場合が圧倒的に多いと思います。
そういう視点で、「白血球数とその分類」検査を凝視してみて下さい。

6歳の患者さん。
昨年、10月11日に書き込みした患者さん。
今月、「耳痛」にて、また受診されました。

当院受診5日前に、近所の医療機関を受診されていました。
検査として、RSウイルス迅速検査を受け、陽性でした。
しかし、処方薬は、
クラリス:抗菌薬
ムコダイン:痰切り
アスベリン:咳止め
ニポラジン・:抗ヒスタミン剤
メプチン:気管支拡張剤
オノン:ロイコトリエン受容体拮抗剤。
呼吸器感染症に汎用されている薬剤をほとんど全て羅列していました。
いわゆる、多剤併用処方ではと思います。

急性中耳炎 症例282 その3 RSウイルス陽性_a0082724_21471928.jpg

左鼓膜は中等度膨隆。
右は、急性中耳炎から滲出性中耳炎へと移行し、一部排液が始まっています。
大量粘膿性鼻汁を認めます。

「白血球数とその分類」検査で、はっきりと分かります。
末梢血液白血球数  14,200/μl H
白血球3分類   リンパ球数  4,600/μl H
           単核球数   1,600/μl H
           顆粒球数   8,000/μl

抗菌薬の不必要な、ウイルス性急性中耳炎・急性副鼻腔炎、でした。

RSウイルス迅速検査:陽性、という明確な事実を把握しながら、
抗菌薬投与は、ないでしょう。
肺炎球菌・インフルエンザ菌が検出される、急性中耳炎・急性副鼻腔炎には、なおさら抗菌薬診療になるんでしょう。

シングレア:ロイコトリエン受容体拮抗剤
メプチン:気管支拡張剤
投薬、1週間後、
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治癒状態に至りました。

当患者さんは、毎回1~2週間で治癒状態に至る、例外的な患者さんです。

急性中耳炎・急性副鼻腔炎は、繰り上げ100%ウイルス感染症であります、という一例でした。
その一例一例は全てウイルス感染症なんです。

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「スーパー糖質制限」実行中。
本日朝食開始90分後血糖値:105mg/dl。

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過激医療本が続々です。

考えてみると、
現在の医療は、投薬医療に偏っていると思います。
受診して、症状を訴えると、その訴え・検査に対応した投薬がなされます。
高血糖--糖尿病治療薬、
高血圧--降圧剤
不眠--睡眠導入剤
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そして、大量多剤併用薬となってしまっています。

それは、患者さんサイドの医療とは言えません。
医師は、患者さんに寄り添う診療をすべきと思います。

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by hanahanak2 | 2013-11-01 22:17 | 急性中耳炎 | Comments(0)