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急性中耳炎での相談

四国徳島からです。
「抗菌薬の適正使用」の一助になればと思い、当ブログを続けています。
当院では使用基準(暫定)を設けて対処しています。
顆粒球1万以上、リンパ球3千以下、白血球1.3万以上、です。
また、危惧しているのは、耳汁・鼻汁・咽頭喉頭からの検出菌分離菌を起炎菌と自動診断する伝統。


インターネット上で、治らない急性中耳炎について、相談内容が掲示されていました。

本当に悩んでいまして、お時間ありましたら、相談にのっていただけたらありがたいです。
今6歳の子なのですが、チューブを入れるかどうかで迷っています。
1歳の時に急性中耳炎で切開。その後、急性のたびに抗生剤で治し、2歳の時から滲出性になり現在まで、5~6回切開もしたり抗生剤だけで治したりときました。
夏場は1ヶ月くらいは大丈夫な時期もあるのですが(この前の冬場は2ヶ月くらい大丈夫でした)、風邪をひくとまた水がたまって濁ってきます。その度に、軽い時は漢方で、ひどい時は最近はオゼックス、ジスロマックを飲んだりしています。先日の急性の時はオラペネムを飲みました。
チューブは、かかりつけの外来で出来ると言われていますが、うちでは大人も子供も大きい太いのを入れます、と。またチューブを取った後に、穴がふさがらなくなることもまあまああります、と言われ、穴をふさぐ手術は外来では出来ず転院して入院して手術になります、と言われて、チューブを入れることにためらいがあります。
このまま中耳炎の度に抗生剤を飲むことにも抵抗がありますし、かと言ってチューブ取った後の穴が残ったままになったらどうしよう、、、という不安もあります。
長々となってすみません。


こんな相談でした。

急性中耳炎が「肺炎球菌・インフルエンザ菌」等の細菌感染症であれば、抗菌薬(抗生物質)で治り、再発もほとんど起こらないと思います。

しかし、実際は、繰り返す傾向が高いです。

それは、ウイルス性急性呼吸器感染症との特徴です。

鼻腔・副鼻腔・鼓室は上気道です。

呼吸器です。

ウイルス性急性呼吸器感染症は生涯繰り返します。

その度に、抗菌薬使用は、身体にとって得るものは無いのです。


それでも就学時期前後までに治癒状態に至らない場合には、アデノイド肥大の確認とか鼻腔後半部の状態確認が必要です。

急性中耳炎の診療は

①抗菌薬を使わない。

②鼻・咽等の周辺整備に心掛ける。

事をモットーにやっております。

by hanahanak2 | 2012-10-31 16:45 | 急性中耳炎 | Comments(0)