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急性中耳炎 症例286 その2

四国徳島からです。

抗菌薬の適正使用が話題になることが多くなっております。
当院では使用基準(暫定)を設けて対処しています。
顆粒球1万以上、リンパ球3千以下、白血球1.3万以上、です。

昨日書き込みした赤ちゃん。
RSウイルス陽性ウイルス性急性中耳炎・急性副鼻腔炎と診断した患者さん。

初診時、

①問診・視診で、急性中耳炎・急性副鼻腔炎の診断は容易です。

②次は、「白血球数とその分類」検査です。

末梢血液白血球数  16,500/μl 
白血球3分類   リンパ球  5,000/μl
         単核球   1,400/μl 
         顆粒球   10,100/μl  

顆粒球1万以上ですが、リンパ球3千以上ですので、ウイルス感染症です。

③RSウイルス迅速検査、陽性。

④耳漏細菌培養同定検査は、後日判明しました。
「耳漏陰性」でした。
陰性のはずはないですので、採取手技の問題です。

以上が、初診時のデータです。

重要なのは、①問診視診と②白血球数とその分類、です。

初診翌日の「白血球数とその分類」
末梢血液白血球数  11,400/μl H 
白血球3分類   リンパ球  6,100/μl H
         単核球   1,600/μl H
         顆粒球   3,700/μl  

同日の 鼻汁細菌培養同定検査 肺炎球菌3+、インフルエンザ菌1+

6月下旬、体調不良時、
末梢血液白血球数  18,100/μl H
白血球3分類   リンパ球  4,400/μl H
         単核球   1,600/μl H
         顆粒球   12,100/μl H  


7月1日、体調回復、
末梢血液白血球数  16,000/μl H 
白血球3分類   リンパ球  5,100/μl H
         単核球   1,600/μl H
         顆粒球   9,300/μl H 

同日の鼻汁細菌培養同定検査では、インフルエンザ菌2+

7月7日の鼻汁細菌培養同定検査は、肺炎球菌 1+

7月下旬、
急性中耳炎 症例286 その2_a0082724_1223637.jpg

鼓膜に透明感が出現していました。
一応の治癒状態に至りました。

しかし、風邪に罹ること必発ですので、再発は避けられないです。

「0000」で治った、ではありませんが、

「抗菌薬(抗生物質)不使用診療」の方が具合が良いと思いますよ。

by hanahanak2 | 2012-08-10 12:44 | 白血球 | Comments(0)