抗生物質を飲んでるのに頭痛と咳が治らない
四国徳島からです。
急性中耳炎・急性副鼻腔炎は、ウイルス性急性上気道炎と考えると、どうして反復性なのか、どうして抗菌薬(抗生物質)が効かないのかが納得出来ると思いますが如何でしょうか。
50歳代の患者さん。
受診理由は「抗生物質を飲んでいるのに頭痛と咳が治らない。脳外科のCTで蓄のうじゃと言われた。手術はしたくない。絶対いやです」
両側大量膿性鼻汁。
CT画像の通りです。
治らない時には手術を考えます。
短期間で繰り返すようなら手術を考えます。
急性副鼻腔炎は抗菌薬不要なウイルス感染症です。
「白血球数とその分類」検査
末梢血液白血球数 10、900/μl
ウイルス感染症の数値でした。
抗菌薬無しの対症療法です。
約1ヶ月後の2月下旬、
あれ程の膿性鼻汁が消失しています。
副鼻腔手術は取り敢えずは回避できました。
前回のファイバースコープ検査で見逃していたのか?
ファイバースコープの挿入がきつかったのです。
左右への鼻中隔の曲がり突出を中等度、認めました。
「イビキ」の事を聞いてみました。
「ほうなんです。イビキが大きくて友達と旅行に行けないんです」
「イビキを治す改善させようとするなら、鼻中隔手術が必要です」と説明せざる得ません。
患者さんは落胆のご様子でした。
やや前向きの表情も呈していました。
このように、急性中耳炎は就学時までに解決してしまいますが、
鼻腔・副鼻腔の不具合は抗菌薬とか抗アレルギー剤の服用で治るもんではなく、
生涯にわたり私達を苦しめるのです。
この不具合を断ち切るために、何を選択するか、そして如何に巧くやるかが最大の難関と思います。
by hanahanak2 | 2012-02-25 21:26 | 白血球 | Comments(0)