急性中耳炎 症例203
四国徳島からです。
急性中耳炎・急性副鼻腔炎のほとんどは、ウイルス感染症と考えて診療を進めていく必要があると思います。
1歳8ヶ月の患者さん。
1年来毎月急性中耳炎の診断を受け、その度に抗菌薬(抗生物質)治療を受けています。
今回も、39度の発熱、耳痛、咳、鼻汁等を来たし当院来院されました。
お薬手帳には、オラペネム、クラバモックス、メイアクト、バナン、クラリシッド等抗菌薬の記載が踊っていました。
血球計測をお勧めします。
末梢血液白血球数 10,900/μl H
この数値で判断しても、ウイルス感染症です。
白血球3分類 リンパ球 31.8% 3,400/μl H
単核球 8.3% 900/μl H
顆粒球 59.9% 6,600/μl H
リンパ球増加、顆粒球10.000以下(好中球10,000以下です)はウイルス感染症です。
ウイルス感染症として治療をスタートさせます。
軌道修正は何時でもできます。
抗菌薬はウイルスには無効です。
腹痛下痢等の副作用で体力を消耗させます。
急性中耳炎・急性副鼻腔炎は治す病気でなく、治るのを待つ病気なんです。
是非、分かって欲しいんです。
by hanahanak2 | 2010-12-09 12:14 | 急性中耳炎 | Comments(0)